“薄氷の四日間”


「いやあ、あの時オレ達は死ぬ覚悟をしてましたよ。
だって陣地の周りには幻獣しか見えないんだもの。
ようやく銃の撃ち方に慣れた程度で、オレ達はロクに生き残る術も知らなかった。

  最後まで、オレ達は捨て駒。

「もう終わりか」そう諦めかけてた時に、あの人型が現れて散々に幻獣を蹴散らしていって。


『生きている者はおるか!

    生き残りたければ返事をせよ!』
って呼びかけが届いたんだ。



…その言葉が聞こえたとき、震えたよ。心がね。

   知ってるか? いるんだぜ、正義の味方って奴は。



                    」 ―2036年 生き残った、ある元学兵の述懐


今から37年前、熊本。
その遥か50年前から幻獣に地球上を駆逐され続けた人類が、幾度目かの防衛戦争を繰り広げた場所である。人類が「自然休戦期」と呼び、勝手に幻獣との休戦期間であると決め付けていたその概念を一蹴し、1999年5月初旬、防衛戦争の最前線である熊本要塞は幻獣軍の熾烈な攻勢に曝されていた。
結果、熊本戦線は徐々に崩壊、自然休戦期を目前にして九州総軍及び自衛軍は大潰走をはじめる。戦力温存のため早々に撤退指示を受ける精鋭部隊や危険な匂いを察知した者達は我先にと、本州との連絡線がある福岡・門司へと向かった。
その距離、熊本市内から直線距離約120キロ、九州自動車道を利用しても約150キロ。その泥縄式の撤退戦の中で、多くの学兵は待機命令―事実上の拠点死守を命じられ、訳もわからぬまま幻獣の海に飲み込まれてその若い命を散らした。

しかし、そんな中で上述の元学兵のように、不幸中の幸い・奇跡の脱出とばかりに生を掴んだ者もいた。



1999年5月・九州撤退戦。

その時、激戦の只中で何が起きていたのか?
生き残った学兵達が、その時見たものとは?
度々耳にする言葉「正義の味方」「ヒーロー」というキーワードが、何を意味するのか?
彼らの記憶と貴重な証言を頼りに、学兵達が辿った
“薄氷の四日間” その軌跡を追ってみたい・・・






・・・という夢を見た。


夢の続きは・・・

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榊 涼介

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